転職したいと感じたときこそ、なぜ転職したいのかと自分自身にその理由を問い直す時間が必要です。理由がはっきりせずに漠然と転職したいと感じているだけでは転職後にまた同じように悩む可能性があります。だからこそ、理由はできる限り具体的に言語化しておくべきでしょう。 例えば「今の仕事が自分に合わない」と思っているとしましょう。それは仕事内容そのものに原因があるのか、人間関係に疲れているのか、それとも働き方や評価制度への不満なのかなど具体的に深掘りしていく必要があります。そして、その理由が本当に転職しないと解決できないものなのかも考えるべきです。 転職しなくても解決できる手段として、上司や人事部への相談、部署異動が挙げられるのではないでしょうか。仕事内容の変更や仕事量の調整、人間関係への配慮などを働きかけることで解決できることも少なくありません。実際、私の同僚は直属の上司の高圧的な性格が合わず、毎日上司に萎縮しながら仕事していました。当然仕事でも結果が出ません。しかし、部署異動して性格が穏やかな上司に変わると一変。上司と円滑にコミュニケーションが取れるようになってからはのびのび仕事に取り組めるようになり、成果もバンバン挙げていました。 また、近年副業ブームの流れもあるように、本業とは別に自分のビジネスを持つことも有効な手段として考えられます。収入を上げたい、何かスキルを身につけたいなどといった悩みは副業を始めることで解決できるかもしれません。最近ではYoutubeで副業について無料で学べたり、有料のオンラインスクールに通ってプロから直に教わったりすることで誰でも副業を始めることができます。以上のように、すぐに転職ありきで考えるのではなく、まずは今の環境で解決の手段がないかを探すことに目を向けるべきではないでしょうか。 このように考える理由として、転職によって仕事内容や人間関係、生活リズムなど多くの要素が一気に変わるからです。新たな職場ではゼロから人間関係を構築し、信頼を積み重ねる必要があります。今の職場で高いパフォーマンスを出せているのは、慣れた環境や築いた人脈が支えているからかもしれません。 中でも人間関係は転職理由として最も多く挙げられる項目です。居心地の悪さが精神的なストレスとなり、転職を決意する人も少なくありません。しかし、新天地での人間関係がより良くなる保証はされていません。さらに悪くなる可能性もあります。 新しい環境にうまく適応できないと、最悪の場合、適応障害などの精神的な不調を引き起こすリスクもあります。短期間での離職となればキャリアに傷がつき、その次の転職に影響を及ぼす可能性も否定できません。 だからこそ、転職は最後の切り札として考えるべきだと思います。逃げるように職場を離れるのではなく、今の職場でやれることをやり切ったうえでそれでもなお自分にとって成長や幸せにつながると確信できる。その時初めて転職という選択肢が意味を持ちます。焦らず、慎重に。転職は自分の人生を大きく動かす一手であるということを忘れてはなりません。
転職を考えた時に確認したいこと
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